強いSE・ITプロフェッショナル人材を育てる エディフィストラーニング株式会社
エディフィストの実務に活かせるIT研修Google や IBM などの米大手企業を皮切りに、日本でもトヨタ、Yahoo など多くの企業が導入し、コロナ禍でまた関心が高まってきているマインドフルネス研修。
マインドフルネスの効果とその実践方法をお伝えした前編に続き、後編となる本記事では、実際に研修を受講した方の体験事例を見てみます。マインドフルネスの実践によって、どんな「仕事のくせ」に気づき、どう変わることができたのでしょうか。
目 次
清澤が講師を務めるマインドフルネス研修では、まずマインドフルネスの基本動作を習得し、次に自身の生産性を阻害している要因=思考や行動のパターン(くせ)に気づき、対処法を学びます。実際にあった例を見てみましょう。
「直面している開発案件にはまり込み、新しい技術アイデアが生まれない」
◯ 仕事のくせ(行動パターン)
◯ 思考パターン
仕事のくせを解消するために、前回の記事で説明した5つのステップの「ステップ1:マインドフルな状態づくり」を踏まずに、マインド「レス」な状態のままで思考パターンに気づこうとしても、浅い洞察で終わるだけになってしまうので注意が必要です。
A氏のマインドフルネスの実践例を紹介します。
呼吸法・ヨガ・生活習慣の改善など、マインドフルネスの手法を実践した。実践後、疲れにくい、集中できる時間が長い、落ち着く感じを体感できる、などの変化を感じるようになった。
マインドフルな状態が定着してくると、自分を客観視できるようになります。そこで、自己洞察のためのトレーニングへと、ステップを進めます。
気になっていることが思い浮かんだら、その自分の想い、考え、感覚にラべリング(名前付け)をします。そうすることで、ネガティブな思考を自覚し、その背景を洞察できるようになります。
そして、ネガティブな思考にラベリングをします。A氏は「やはり無理だ!理由作り思考パターン」と命名しました。
ネガティブな思考の元になっている価値観と向き合います。A氏には「専門領域を深めたいので、他の専門外のことは、関わらないで良い」「専門外のことをするのは無理」という考えがありました。
次に、本来大切にしたい価値観を考え、それにもラベリングします。A氏は「好奇心、意欲をもってさまざまな領域に挑戦したい」と考え、「好奇心と意欲でワクワクチャレンジ!」思考と名付けました。
ネガティブな思考パターンで仕事をしてしまう今の自分に気づき、仕事の中の重要な場面で、自分が大切にしている価値観を思い起こします。
自身の深い願いに裏打ちされた価値観によって、未知の分野や新しいアプローチへと飛び込む勇気と、粘り強さが生まれます。
ステップ1~4を繰り返すことにより、自分の理想を実際の思考・行動パターンが一致するようになります。
そうすることで、狭い範囲の技術専門領域から抜け出せなかったいままでの自分を自覚できるようになり、一つの場所にとどまっている状況を作らないように、気を付け始めることができるようになります。
マインドフルネスを実践するとはどういうことか、イメージがわかってきたでしょうか。何度も言いますが、ステップ1のマインドフルな状態づくりをまず実践し、頭の中にすっきりした状態を作ることが大切です。
その後にステップ2から4のメニューを進めていくと、より一層明確な自己洞察を行うことができるようになります。そうすることで、自分が仕事の中で大切にしたい価値観が明確になり、自分の言動が整理できるようになり前向きな仕事ができるようになります。
ここまでご説明したように、今まで気づかなかった自分の思考パターンを改めて自己分析して気づきを得ることで、知らず知らずのうちに自分を縛っていた縄を緩め、仕事への向き合いかたも積極的で前向きなものへと向上させることができるようになります。
私は、多くのビジネスパーソンにとって、マインドフルネスが自己の課題に対峙するための有効な手段となると信じています。
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清澤正
野村総合研究所にて23年間、経営コンサルティング、人材育成、経営企画、内部監査などに従事、2009年よりエディフィストラーニングにて数多くの研修に従事。経営と人材育成に多面からアプローチする「清澤メソッド」を確立し、現在に至るまでに1,000名以上の経営者、2,000名以上の役員・管理者に学習支援・コンサルティングを行う。また時代の流れに合わせたカスタムメイドの研修を数多く手掛けている。
●清澤メソッド:
3つの能力を最大限に活用し、「気づき」で人を育てる
1)コンサルティング: 課題の本質を紐解く
2)ファシリテーション: 参加者の知識・知恵を可視化・構造化する
3)ビジネスコーチング: 参加者の可能性を最大限に引き出す