強いSE・ITプロフェッショナル人材を育てる エディフィストラーニング株式会社
エディフィストの実務に活かせるIT研修ビジネスの現場やニュースなどで、最近よく耳にする「ServiceNow」。「聞いたことはあるが、何ができるのか、どういったサービスなのか、よくわからない」という方は意外と多いのではないでしょうか。
そこで、特別企画! ServiceNow社でトレーニングデリバリーマネージャーとして、テクニカルトレーナーも務める平塚史人氏(写真左)をお迎えし、エディフィストラーニングの久野朗講師(写真右)が、インタビュー形式でひとつひとつ「ServiceNowの謎」を解き明かしていきます。
ではさっそく、ServiceNow の謎を解いていきましょう!
目 次
久野(エディフィストラーニング講師) 最近広告や、ニュースなどで、ServiceNow について目にする機会が多く、興味を持っていらっしゃる技術者の方が多いと思います。
ServiceNow はどんなサービスを提供するのでしょうか?分かりやすく教えてください。
平塚(ServiceNowテクニカルトレーナー) ServiceNowでは、業務アプリケーションを実行・開発・運用するためのクラウドアプリケーションプラットフォームサービス ”Now Platform” を提供しています。
別の言い方をすると、企業はServiceNowと契約すると、クラウド上の業務用アプリケーション環境を使用できるようになり、その上で提供される各種業務アプリケーション(ITSMなど)を使用したり、アプリケーションの運用や構成、開発などを行えたりするというものですね。
久野 私たち講師は、ServiceNowのことを、よく「二階建て構造」と表現します。
ServiceNowは、aPaaSであるNow Platformと、その上に乗るさまざまな業務アプリケーション SaaSの2層から成り立っているわけですね。
平塚 Now Platformは、クラウド上の企業毎の独立した環境として提供されます。またプラットフォームでは、外部システムとの連携機能が豊富に用意されており、様々なサードパティサービスとのデータ連携や機能連携を柔軟かつ簡単に構成できます。
久野 ServiceNowは、さまざまな外部システムと簡単に連携できることが特長の一つですね。受講生もこの点に興味を持つ方が多いです。
平塚 そうですね。現在、一般的に企業には、600を超えるSaaSアプリがあるといわれています。Now Platform は、こうしたビジネスシステム、たとえば、Salesforce、SAP、Microsoft 365、DocuSignなどと簡単に接続することができ、こうした複数のシステムを使用した業務処理、デジタルワークフローを実現できます。
組織のすべてのワークフローの礎となるNow Platform を “Platform of Platforms”と呼ぶことがあります。
平塚 Now Platformを導入することで、企業は組織内の業務データを一つの環境内にまとめる事ができ、また、組織内の業務プロセスを一つのシステム上で統合することができます。言い換えると、様々な部門/チームの従業員がNow Platform上の画面からそれぞれ必要な業務データを同じように操作できるようになり、部門/チームを越えて互いに紐づく業務データを簡単に参照できるようになり、部門やチームをまたいだ仕事の流れを効率化・自動化させることができるようになります。
久野 ServiceNowを導入すれば、業務データや、業務処理が、部門ごと、あるいはシステムごとにバラバラになってしまい、連携がうまく行えなくなるサイロ化を解決することができますね。
平塚 ServiceNowではソリューション毎に様々な業務アプリケーション群を製品として提供しており、それらは、図中で、Workflowsという括りで大別されています。これらのアプリケーション群を組織に導入することで、組織全体の様々な業務領域でベストプラクティスに従った適切なプロセスを実現できます。
Now Platformでは、ServiceNow社製の業務アプリケーション以外にも、パートナー企業様の構築した多様なアプリケーションを使用することができ、「ServiceNowストア」からアプリケーションを探して環境にインストールして使用することができます。
またプラットフォーム内の開発ツールを使って独自のカスタムアプリケーションを作成することも可能です。
久野 ServiceNowストアで、たくさんのサードパーティ製アプリケーションが入手できること、また、ゼロコード/ローコードの開発ツールが充実していて、プログラミング知識のない人でも、アプリケーションが開発できることもNow Platformの魅力の一つですね。
久野 平塚さんがServiceNowで一番推しているサービスや機能はなんですか?
平塚 推しの機能としては、「Flow Designer」 という開発ツールで、Now Platform内の処理の流れを自動化する「フロー」を開発するものです。
例えば「タスクを作成して誰かに割り当てる」「メールで関係者に通知を送る」「作業ステータスが変更されるまで待つ」といったアクションをパズルのように組み合わせてプラットフォーム内のデータ操作・データ処理を自動化することができます。
フローはServiceNowの得意とする「仕事の流れ」「作業のプロセス」の自動化処理の根幹をなす仕組みとして、ServiceNow製の様々なワークフローアプリケーションに部品として組み込まれています。Flow Designerではそのフローの構成を編集したり、新たにカスタム開発することを、コーディング不要で簡単に行うことができます。業務部門の方でも直感的に開発ができるような工夫が多くなされており、実際にServiceNow Japanが大学生向け行ったワークショップでは、プログラミング経験のない文系の学生でも直感的な操作でデータ処理の自動化機能を開発していました。
久野 フローチャートを描くようなイメージで、簡単に複雑なフローを作成できるので、Flow Designer の演習は、いつも受講生の皆さん楽しそうに取り組まれています。文系の大学生の方でもすぐに使えるのは、素晴らしいですね! 私も大好きなツールの一つです。
平塚 ServiceNowでは、プラットフォーム内でアプリケーション開発を簡単かつ直感的に行える「ローコード・ノーコード開発ツール」を豊富に提供しています。その中でも特にFlow Designerはプログラミング開発経験のない人でも使用しやすい優れたエクスペリエンスを提供する個人的にお薦めのツールです。
ServiceNowは、「人」を中心に据えた働き方や業務のあり方の変革を支援してきました。組織横断型のデジタルワークフローの構築を可能にするプラットフォームの提供で、部門ごとにサイロ化されがちな手続きや業務プロセスを統合・自動化し、本来注力すべきビジネス価値のあるサービスや商品の開発に多くの時間を充てる仕組みを実現します。働く人たちすべての価値とエクスペリエンスを飛躍的に高めること、また人材育成促進や生活への変革にも貢献しています。 https://www.servicenow.co.jp/
慶應義塾大学院政策・メディア研究科卒。新卒で外資系コンサルファームに入社し、業務パッケージのカスタムアプリ開発コンサルタント、及び、システム導入マネージャーなどを歴任。2021年よりServiceNowに入社し、テクニカルトレーナーとして活動。Platform開発を中心にServiceNow全般に関する技術トレーニングの講師、及び、イベント登壇などを行っている。
クラウドサービスプロバイダーで運用・構築・設計などエンジニアとしての経験を積んだのち、2018年にコムチュアグループ(エディフィストラーニング)に入社。主にIT基盤系トレーニングの講師を務め、2022年よりServiceNowトレーニングを担当。エンジニア目線の講義と受講生に寄り添う姿勢で、お客様より非常に高い評価を得ている。