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エディフィストの実務に活かせるIT研修「Salesforce 認定システムアーキテクト」という資格をご存じでしょうか。Salesforce 開発者向けの資格で、Salesforce の高度なカスタマイズスキルを証明します。2021年12月時点の国内取得者は164人しかおらず、資格取得には Salesforce だけに留まらないシステム開発の幅広い知識と技術が必要とされます。
この度、当社の荒木トレーナーがこの Salesforce 認定システムアーキテクトを取得しました。そこで本記事では、荒木トレーナーの実体験をもとに、「Salesforce 認定システムアーキテクト」という資格の魅力や、資格取得までの道のりを解説します。
「Salesforce 認定システムアーキテクト」は、Salesforce の公式説明によると顧客のシステムのアーキテクチャをプログラミング的アプローチで評価する知識があることを証明する資格です。Salesforceの「プログラミングによるカスタマイズ」のスキルを測る資格のうち、最上位の資格になります。
実は「Salesforce 認定システムアーキテクトの試験」というものはありません。プログラミングによるカスタマイズスキルを測る4つの認定資格をすべて取得すると、認定システムアーキテクト資格が付与される、という仕組みになっています。
① Salesforce 認定 Platform デベロッパー
② Salesforce 認定 Integration アーキテクト
③ Salesforce 認定 Identity and Access Management アーキテクト
④ Salesforce 認定 Development Lifecycle and Deployment アーキテクト
4つの資格すべてを取得するのはかなり難しく、2021年12月時点で国内の取得者は164人しかいない、超難関資格。この資格を取れば、Salesforce 開発者として一流と認められたと言えるのではないでしょうか。
取得までの道のりは長いですが、Salesforce 開発を担うエンジニアが、ぜひ目指したい資格です。
Salesforce はそのままでも十分使える魅力的なサービスが多いのですが、どうしても企業の方針や組織の実情に合わせてカスタマイズする要件も発生します。Salesforce のカスタマイズには大きく2つの方法があり、開発者は要件に応じて適切な方法を選択する必要があります。
・宣言的(ローコーディング)なカスタマイズ :※主にアプリケーションアーキテクトの知識が必要
・プログラミングによるカスタマイズ :※主にシステムアーキテクトの知識が必要
「Salesforce 認定システムアーキテクト」は、主に「プログラミングによるカスタマイズ」のスキルを測る資格となります。
Salesforce を利用する企業は、「標準機能を使用する」段階に始まり、徐々に自社に合わせたカスタマイズの度合いを高めていくことが多いですが、Salesforce 認定システムアーキテクト取得に必要な4資格を学んでいくと、企業が Salesforce の活用とカスタマイズを進めていく中で必要なスキルを網羅できるのです。
STEP1 Salesforce の標準機能を使用する
STEP2 自社独自のやり方に合わせたくなる
➡ ① Salesforce 認定 Platform デベロッパーのスキル
STEP3 他システムと連携したくなる
➡ ② Salesforce 認定 Integration アーキテクトのスキル
STEP4 他システムと安全に連携したくなる
➡ ③ Salesforce 認定 Identity and Access Management アーキテクトのスキル
STEP5 カスタマイズ(開発)をしたリソース・成果物をしっかり管理して高品質なカスタマイズ手段を確立したくなる
➡ ④ Salesforce 認定 Development Lifecycle and Deployment アーキテクトのスキル
エンジニアは顧客企業に対して、Salesforce の推奨ソリューションやベストプラクティスを提案することも大切ですが、、業界標準の技術を共に活用したソリューションを提供することはお客様にとって大きなメリットがあるはずです。
なぜなら、お客様は Salesforce だけで企業内のすべてのシステムを動かすわけではないためです。また、IT 業界全体の流れに逆らうことなくカスタマイズを進めることができる安心感は開発側にとっても大きいはずです。
「システムアーキテクト」資格を取得することで、Salesforceを含む企業システムの構築や他システムとの連携を、安定したプロセスで行うための業界標準の技術・スキルを十分に保有していることを証明できます。
具体的な要とされる技術やスキルについては、次の「資格取得への道 ―4つの試験で何を問われるか」でご説明します。
Salesforce 認定システムアーキテクト取得に必要となる4つの試験についてお話します。
Salesforce Platform 内で動作する機能を実装するスキルが問われます。出題範囲はほぼ Salesforce Platform の中の仕組みに限定されています。
対して、②③④の試験では、 Salesforce Platform の内外を問わず、ソリューションの一部としてSalesforce Platform を利用する際のアーキテクトスキルが問われます。
当然、Salesforce 以外の標準的な開発スキルも問われるため出題範囲は広いです。ですが、細かい実装・設定手段などは範囲外です。また、一般的なシステム開発プロジェクトでの開発経験が必要とされます。
では、②③④についても詳しくみていきます。
Salesforce Platform と他システムとの連携の手段や、連携テスト、考慮事項について問われます。
データ連携なのかプロセス連携なのか、Web API はどれを使用すべきなのか、連携するデータ量はどの程度なのか、トランザクションをカバーする必要があるか、などさまざまな要件に基づいた最適な連携手段を選択する必要があります。
別々に契約した Salesforce Platform 組織や他システムと組み合わせた認証手段が問われます。
シングルサインオンを構成すべきか、その際 Salesforce Platform は認証プロバイダーになるべきかサービスプロバイダーになるべきか、OAuth 認証はどのフローを使用すべきか、SAML アサーションのそれぞれの要素はどのような意味を持つのか、など要件に基づいた最適な認証手段を選択する必要があります。
開発ライフサイクルに必要とされるプロセスや各フェーズの意味と目的とベストプラクティス、DevOps アーキテクチャの設計、などシステム開発管理にかかわる知識が問われます。
開発プロセスはアジャイル/ウォーターフォールモデルの比較、コード管理(git)を使用した品質の確保、CI/CD 手段、リリース時のパッケージの種類、テスト環境(最適なサンドボックス種類)など、システム開発全般にわたる管理スキルが求められます。
試験では予想以上に業界標準機能(Salesforce 以外の技術要素)が多く出題され、出題範囲の広さに驚きました。たとえば Identity and Access Management アーキテクトの試験では SAML アサーションの詳細な理解を求められます。Development Lifecycle and Deployment アーキテクトでは、アジャイル開発を理解する必要があります。
お客様の課題を解決するには、Salesforce だけに詳しくてもだめで、システム開発におけるコア技術や標準開発プロセスを抑えていかないと。それが試験にも反映されていて、だから認定システムアーキテクトをめざすことは自分のスキルアップにもなり、お客様のためにもなる。Salesforce エンジニアなら、ぜひめざしたい資格です!
では、資格取得のためになにをどう勉強・準備したらよいかについて説明します。
試験範囲の内容を網羅したトレーニングコースを受講するのが一番です。プロフェッショナルな講師によるわかりやすい解説、実践的な演習で、効率的に学べます。合格への近道として、試験対策コースをあわせて受講するのがおすすめです。
■合格への近道 トレーニングコース
・Salesforce Platform 開発者: Apex と Visualforce [前編]・[後編] ★おすすめ!!★
・認定 Platform デベロッパー試験ポイントスタディ
■基本から学びたい方には
上記のコースは Salesforce の基礎的な操作や要素技術を理解していることが前提なので、心許ない方は事前に以下のコースを受講しておきましょう。
・Salesforce 管理I [前編]・[後編]
・Salesforce Platform アプリケーションビルダー基礎 [前編]・[後編]
■オンライン学習サービス 【TRAILHEAD】
Salesforceが提供している【TRAILHEAD】にも対応コンテンツがあり、いつでもどこでも無料で学習できます。
・Prepare for Your Salesforce Platform Developer I Credential
https://trailhead.salesforce.com/ja/users/strailhead/trailmixes/prepare-for-your-salesforce-platform-developer-i-credential
Salesforce Platform の基礎が学習できます。
・Platform デベロッパー試験に向けた学習
https://trailhead.salesforce.com/ja/content/learn/trails/platform-developer-i-certification-study-guide
受験に向けた知識の整理ができます。
② Salesforce 認定 Integration アーキテクト、③ Salesforce 認定 Identity and Access Management アーキテクト、④ Salesforce 認定 Development Lifecycle and Deployment アーキテクトの試験に関しては、残念ながら、Salesforce から対応するトレーニングコースが提供されていません。
試験に向けた学習は、Salesforce 提供のオンライン学習サービス TRAILHEADを利用して進めることになります。Trailhead は非常に多くのスキル範囲をカバーしており、②③④の試験に対応するコンテンツも豊富に用意されています。
以下に、試験対策として役に立ちそうな箇所をまとめてみました。どこから見始めてよいかわからないかた、ポイントを確認したい方は是非ご覧ください。
■オンライン学習サービス 【TRAILHEAD】
・【Salesforce公式】アーキテクトジャーニー:インテグレーションアーキテクチャ
https://trailhead.salesforce.com/en/users/welcome4/trailmixes/architect-integration-architecture-jp
・要チェック👉:「インテグレーションのパターンと実践」
https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.integration_patterns_and_practices.meta/integration_patterns_and_practices/integ_pat_intro_overview.htm
このドキュメントはとくに大切です。
■オンライン学習サービス 【TRAILHEAD】
・【Salesforce公式】アーキテクトジャーニー:IDとアクセス管理
https://trailhead.salesforce.com/en/users/welcome4/trailmixes/architect-identity-and-access-management-ja
・要チェック👉:「シングルサインオンの FAQ」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.sso_tips.htm&type=5
・要チェック👉:「OAuth によるアプリケーションの承認」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.remoteaccess_authenticate.htm&type=5
■オンライン学習サービス 【TRAILHEAD】
・【Salesforce公式】アーキテクトジャーニー:開発ライフサイクルとデプロイ
https://trailhead.salesforce.com/en/users/welcome4/trailmixes/architect-dev-lifecycle-and-deployment-ja
・要チェック👉:「Salesforce Lightning Platform – aPaaS での開発と実装」
https://salesforce.vidyard.com/watch/t9JhuXgh1vD4Ycd8mWvcKr?_ga=2.203798547.2050785504.1642378849-209418714.1592821789
この動画は最初に参照することをお勧めします(とてもわかりやすいです)。
資格を取得するための学習として、トレーニングコース受講以外は、TRAILHEAD で自学自習するしかありませんが、ご存じのとおり TRAILHEAD のボリュームはかなりのものです。また、実際の開発プロジェクトの経験がないと内容的にも対応するのは厳しいのが実情です。
ただ、Azure でも使えるような標準的な技術要素もでてくるので、一度取得すれば応用が効きます。Salesforce を核にしながらもシステム開発全体を理解していることを示すことができる「Salesforce 認定システムアーキテクト」資格を、ぜひ今後のエンジニアキャリアに活かしていただければと思います。
Salesforce 認定システムアーキテクト 荒木 達也講師
当社のトレーニングコースに受講していただいた方には、ご相談に応じて可能な範囲で個別に勉強方法や参照資料などアドバイスしますので、お声がけくださいね。
2020「Best Instructor Award」賞受賞
2018「Best Instructor of the Year」賞受賞
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